耳鼻咽喉科展望
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Chlamydia trachomatis抗体測定試薬の性能比較
嶽 良博榎本 雅夫芝埜 彰硲田 猛真斉藤 優子十河 英世藤木 嘉明藤村 聡
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1999 年 42 巻 6 号 p. 591-596

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抄録

Chlamydia trachomatis (C. trachomatis) の診断に用いる血清抗体測定試薬ヒタザイム (R) クラミジア (ヒタザイム), ペプタイド®クラミジア (ペプタイド) とクラミジア抗体ミツビシ (ミツビシ) は, それぞれ異なった抗原を用いて血清抗体を測定している。そこで, これら3種類のキットの性能比較を行った。対象血清はウェスタンブロット法にてC. trachomatis抗体陽性血清25検体と陰性血清16検体である。その結果, IgG抗体におけるウエスタンブロット法との全体一致率はヒタザイム100%, ペプタイド85.4%, ミツビシ97.6%であった。IgA抗体におけるウエスタンブロット法との全体一致率はヒタザイム100%, ペプタイド82.9%, ミツビシ97.6%であった。ペプタイドが偽陽性, 偽陰性となる可能性が高いが, 他のクラミジアとの交叉性はない。C. trachomatis抗体の測定結果には用いた測定試薬の抗原によって差がでることを認識すべきである。

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