耳鼻咽喉科展望
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スギ花粉症に対するロラタジン初期療法の有効性
実地臨床の場からの検討
榎本 雅夫池田 昌生坂口 幸作垣内 弘加藤 寛中西 弘藤木 嘉明榎本 多津子池田 浩己嶽 良博
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2003 年 46 巻 6 号 p. 509-517

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抄録
和歌山県において2003年のスギ花粉飛散のピークと想定された2月24日から3月8日の期間に,当センター関連施設の8診療所を受診したスギ花粉症患者を対象に,初期療法に関するアンケート調査を実施した。そのデータから,初期療法薬としてロラタジンが使用されていた症例を抽出して,初期療法におけるロラタジンの有効性を検討した。初期療法としてロラタジンが単独投与されていた症例は21例であった。調査時点までに一切の治療を受けていないと判定される非投与群143例を対照に検討した。同時に,初期療法薬として他の第二世代抗ヒスタミン薬が単独使用されていた症例66例とも対比した。前年の症状と比べた2003年度の全般的な患者の評価を4段階で判定したところ,ロラタジン群では非投与群に比べて症状が昨年よりも軽いと感じる症例が有意に多かった。また,他の第二世代抗ヒスタミン薬が初期療法として使用されていた症例に比べても同レベル以上の症状改善効果が認められた。これらの結果から,スギ花粉症に対する初期療法薬として,ロラタジンの有効性が確認された。
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