耳鼻咽喉科展望
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後天性免疫不全症候群に合併したサイトメガロウィルスによる下咽頭潰瘍の1症例
宇田川 寛子山崎 ももこ志和 成紀
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2005 年 48 巻 6 号 p. 348-352

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抄録

今回我々は, 咽頭痛, 嚥下困難を主訴として耳鼻咽喉科を受診したacquired immunodeficiency syndrome (AIDS) に合併したcytomegalovirus (CMV) 感染による下咽頭潰瘍の1症例を経験した。経過中に大量の吐血を認め一時生命の危社機にあったが, 経管栄養により全身状態の改善に努めたところ, 特に抗ウィルス剤を使用しなかったにもかかわらず, 症状および所見とも軽快し, 患者の母国であるタイへ帰国した。近年AIDS患者は日本国内でも増加の一途にあり, 下咽頭潰瘍は稀であるものの, 何らかの症状で耳鼻咽喉科へAIDS患者が初診する可能性は充分に予想されるため注意が必要である。

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