抄録
骨Paget病は、異常に亢進した骨吸収と、それに続く旺盛な骨形成を特徴とする代謝性骨疾患である。欧米諸国では骨粗鬆症に次いで罹患頻度の高い疾患であるが、わが国では極めて稀な疾患である。今回我々は、顔面神経麻痺と難聴を合併した骨Paget病の一例を報告する。ステロイドパルス療法に反応しなかったため、顔面神経減荷術を施行した。経過中は、ビスフォスフォネート製剤による保存的療法を併用し、顔面神経麻痺スコアは8点から18点まで改善した。罹患率の高い海外からの報告を含め、顔面神経麻痺を合併した骨Paget病の報告はなく、本症例は顔面神経麻痺を呈した最初の骨Paget病例と考えられた。