Otology Japan
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原著論文
側頭骨骨折の臨床的検討
小泉 博美内水 浩貴井坂 奈央柳 清
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2015 年 25 巻 5 号 p. 812-818

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抄録

側頭骨骨折55例59耳を対象とし、受傷原因、骨折の種類、頭蓋内損傷、耳科的合併症(聴力障害、耳小骨損傷、外傷性鼓膜穿孔、鼓室内血腫、眩暈、髄液耳漏、顔面神経麻痺)について検討した。受傷原因は転倒事故によるものが最も多く、骨折の種類は縦骨折、混合骨折、横骨折の順に多かった。耳科的合併症のうち聴力障害については、鼓室内血腫のみを認める伝音難聴でその後経過観察を行えた22例全例で治療後の聴力改善を認めた。しかし、耳小骨損傷や鼓膜穿孔を認めた伝音難聴8例のうち、耳小骨再建を行った1例と自然改善した1例を除いて聴力の改善は認めなかった。顔面神経麻痺については、即発性麻痺は混合骨折、遅発性麻痺は縦骨折によるものが多く、治癒率は遅発性100%、即発性0%の結果であった。遅発性麻痺では保存療法のみで改善する可能性が高いが、即発性麻痺では可能な限り早期に手術を行えるよう努める必要があると考えられた。

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© 2015 日本耳科学会
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