2019 年 88 巻 9 号 p. 619-623
前号では,脳の基本構成要素であるニューロンやシナプスの働きを物理的に模倣した「ニューロモルフィックシステム」について解説がなされました.今号では,これをさらに脳のネットワークレベルまで拡張し,脳に特異的な構造や情報処理様式を物理デバイス群のプロセス・ダイナミクスとして実装することにより,より脳に近い高度な情報処理を実現しようとする「ブレインモルフィックコンピューティング」について解説します.さらに,この枠組みでは物理デバイスが重要であることを述べます.