2025 年 94 巻 11 号 p. 574-580
先端電子デバイス製造においてプラズマプロセスは重要な役割を担っている.プラズマからのイオン・電子・ラジカルと電子デバイス材料との反応制御により原子スケールの加工精度を実現している.一方で,微細化した電子デバイスのスケールがプラズマと接する反応領域のスケールに迫り,プラズマ誘起ダメージ(など)が新たな問題となっている.プラズマ誘起ダメージは,電子デバイス開発において集積回路の信頼性を決定する主要課題であり,プラズマ源開発から集積回路設計にわたる幅広い分野における共通の研究対象である.本稿では,その研究の歴史,本質的機構を概観したあと,1つの機構を例にその分析技術,将来展望について述べる.