東京天文台では,超音波によるレーザー光の回折効果を応用した音響光学型電波分光計の星間分子スペクトル観測への実用化に初めて成功した,さらに野辺山の45m電波望遠鏡用として大型のシステムを完成,昨年から実用に供している.このシステムは7eO2結晶を用いた光変調器, HeNeレーザーイメージセンサー,高速データブロセッサーなどにより,受信電波の周波数スペクトルを全体で24000チャネルのパラレル出力に分割してとりだすことができる. 2GBzの帯域を一時に観測できるこの電波分光計の能力は,従来星間分子観測に用いられてきたフィルターバンク型電波分光齢の牲能に10倍するもので,すでに45m望遠鏡によって多くの成果を生みだしつつある.