応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
感覚器官とセンサー
勝木 保次
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1985 年 54 巻 4 号 p. 308-313

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抄録
電気生理学的方法を用いて聴覚機構の解明に努めてきた私にとって,最近の工学の進歩の速さは,生理学のそれをはるかに凌賀するように思われるので,一体生体の機構はどこまで解明されたかを述べてみたいと考えた.
内しかし紙面の都合で末梢の機構に限らざるを得なかった事を許されたい. 100年前のヘルムホルツの学説に源を発した内耳共鳴説は,フォンベケシーの内耳基底膜の運動の観察やマイクロフォン電位の発見につづき,その発生機構の研究となり,現在は内,外有毛細胞の発電機構の形態学的,生理,生化学,薬理学,最近は免疫学的研究に,その方向を変えつつあるといえよう.
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© 社団法人 応用物理学会
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