応用物理
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Print ISSN : 0369-8009
光の量子非破壊測定
井元 信之斉藤 茂
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1988 年 57 巻 10 号 p. 1535-1540

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抄録

光の量子非破壊測定 (QND測定)の実現のため,光カー効果と干渉計を用いた光子数のQND測定法を提案した.光カー媒質が損失を持たない場含と持つ場合について測定誤差の解析を行った.損失を持つ現実のカー媒質を使った場合でも, QND測定系を用いることにより,同数の光子(量子力学的平均として)を破壊する従来の検出法より小さい測定誤差で光子数を決定できるという結論が得られる.測定原理の確認と具体的な系を構成する上での問題点の明確化のため,光カー媒質として石英光ファイバーを用いて実験的に性能評価を行っている.測定誤差の小さなQND測定を現実的なものとするためには,大きな非線形効果を持つカー媒質の開発が必須である.

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© 社団法人 応用物理学会
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