1988 年 57 巻 9 号 p. 1374-1381
ラザフォード後方散乱 (RBS) 法/粒子線励起X線分光 (PIXE) 法を使用して, GaAsへの不純物(インジウム)ドープによる結晶性の変化を,イオンチャネリング現象から評価を行った. RBS (チャネリング)測定から, InドープGaAs中に格子ひずみが生じ,また,チャネリングPIXEにより, GaAs中のIn原子はGa原子位置に置換していることが明らかになった.以上の結果と3軸 (‹100›, ‹110›, および ‹111›) 方向のチャネリング測定により, In原子の周りのAs原子は主に ‹111› 方向に変位しているが, ‹110› 方向にもわずかに変位していることがわかった.