1988 年 57 巻 9 号 p. 1387-1392
非晶質基板上に堆積されたままの薄層の構造は,下地の長距離秩序の欠如のため,短距離秩序のみ保持された非晶質か,よくて微細な結晶粒が粒界を隔てて集合した多結晶となる,本研究は,新しい結晶成長法, seRtaxy (selective nucletion based epitaxy) に基づき,非晶質基板上で,核形成サイトの位置を人工的に制御して,粒界位置を指定しようというものである.すなわち,基板上の任意の位置で結晶核を発生させ,任意の大きさに結晶粒を成長させることが可能となる,本稿では,その基本的な考え方を説明し,Siにおける実際例を紹介する.