1989 年 58 巻 11 号 p. 1554-1573
分布帰還型半導体レーザーは,スペクトル特性に優れるため,半導体レーザーの主流となりつつある.本稿では,そのなかで波長0.7~0.8μm帯(短波長帯)を受け持つものとして, GaAs系化合物半導体材料に基づくレーザーを取り上げ,その研究経緯と現状を紹介する.また,分布帰還型半導体レーザーの波長純度をさらに向上するために考案,研究されている種々の縦モード制御用素子構造についても,一般論およびGaA8系レーザーを舞台に最近新たに展開されている例を中心に解説する.