近年の大気中のCO2の増加は,濃度で1.5 ppmv/年,率で0.4%/年である.この増加量は人類が化石燃料を消豊することによって年々大気に放出しているCO2の58%に当たっている. CO2増加の原因としては,化石燃料の消費と熱帯林の破壊が考えられているが,後者の寄与は不明である.
CO2増加がもたらす地表平均気温の上昇については, CO2濃度の倍増に伴う平衡気温の上昇が3.5±2.0 Cの範囲と見積もられている.この見積もりにおける±2.0 Cという大きな不確定は,主に,温暖化に伴って発現する多様なフィードバック効果の取り扱いの不確定を反映している.