1993 年 62 巻 3 号 p. 245-252
単結晶の格子定数とアボガドロ定数は,密接な関係があることが,古くから知られている.現在,格子定数の絶対測定は,シリコンについてX線干渉計と光波干渉計を組み合わせた装置を用いて行われる.アボガドロ定数の決定には,格子定数のほかに結晶の密度とモル質量が必要である.ここでは筆者らが行っている格子定数と密度の測定の現状と, Seyfrledらによるアボガドロ定数の最新の決定 (1992) について,基礎的データの測定や基礎定数の決定の歴史などにも触れながら紹介する.