抄録
1550nm帯に増幅作用のあるエルビウムドープファイバーの出現によって,石英系光フアイバーの低損失な窓である1550nm帯の高速伝送システムが盛んに検討されるようになり,すでに敷設された1300nm零分散光フアイバー伝送路においても1550nm帯の高速伝送を行うための研究が始まっている.1550nm帯の伝送に1300nm零分散光ファイバーを用いるためには,伝送路の持つ大きな分散(~17ps/nm/km)を補償する必要がある.その手段のひとつとして,伝送路とは逆の分散特性を有する分散補償光ファイバー(DOF)を挿入する方法が提案されており,伝送路との整合性がよく,信頼性も高いことから,実用的な手段として注目されている.本報告では,分散補償光ファイバーの最近の開発状況について述べる.