応用物理
Online ISSN : 2188-2290
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水素終端シリコン (100) 表面の酸化初期過程
財満 鎭明池田 浩也安田 幸夫
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1996 年 65 巻 12 号 p. 1237-1242

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抄録

Siデバイスの微細化とともに,ゲート酸化膜の薄膜化が進み, SiO2膜の局所的な結合構達やSi/SiO2界面の平坦性が重要な問題となっている.これらの問題を解決し信頼性の高い極薄ゲート酸化膜を作製するためには,酸化膜形成時の表面反応の原子尺度での理解と制御が必要となる.特に, Si表面の水素終端処理は,自然酸化を抑制するのみならず,表面の平坦化や表面反応の制御という点でも興味深い.本報告では,水素終端された Si (100)-(1×1) H表面の酸素分子および酸素原子による初期酸化状態を高分解能電子エネルギー損失分光法 (HREELS: High Resolution Electron Energy Loss Spectroscopy) により調べた結果について述べ,酸化膜形成過程に与える水素の効果について検討する.水素終端Si (100) 表面の酸化において,酸化の初期に2段階の酸素原 子吸着過程が存在し,それらの過程はSi-O-Si結合構造の緩和と密接に関係していることが明らかとなった.

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© 社団法人 応用物理学会
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