1996 年 65 巻 2 号 p. 158-162
バルク成長のGaAs結晶における,アップコンバージョン光ルミネッセンス (UPL) のメカニズムを調べた.半絶縁性 (SI), 導電性,いずれの結晶も, UPLは,深い準位を経由した2段階励起過程に因るものであった. SI結晶には2種類のUPLが存在した.第TのUPLは光クエンチング現象を呈し, EL2によるUPLであった.第2のUPLは,第1のUPLが完全にクエンチした後に観測され, BASダブルアクセプターの第2準位を経由した2段階励起過程によるものであった.導電性結晶のUPLでは,光クエンチング現象は認められなかった.