1998 年 67 巻 10 号 p. 1163-1166
無機物の結晶は半導体製品,レーザー素子などに幅広く使われているが,タンパク質の結晶はそれ自身の構造解析の目的以外には利用されていない.タンパク質はナノメートルの大きさの機能性物質であり,生体中では核酸(DNA)に記録された配列を読むことで,まったく同じタンパク質が複製されている.このような均一なタンパク質分子を規則正しく並べた膜,つまり二次元結晶は物性や応用の面で興味深い.本稿ではタンパク質の二次元結晶化とその応用の可能性についての展望を述べる.