1998 年 67 巻 5 号 p. 537-543
来たるべき21世紀には,映像情報を主流にしたマルチメディア通信ネットワークが新たに構築されていくものと期待されている.この新しいネットワークでは現行のネットワークに比べ2桁以上の大容量情報がやりとりされるようになり,その基幹伝送系ではTb/sを超える伝送容量が必要になると想定される.このような超大容量ネットワークを実現するためには,高速変復調技術の実現によりチヤネル当たりの伝送容量を増加するとともに,超高密度波長多重技術を駆使していくことが必須である.
本稿では,超大容量マルチメディアネットワークの実現を支える大容量通信基盤技術の最新の動向について整理して報告する. 40Gb/Sにいたる超高速変復調技術, 100波以上の多重を可能にする超高密度波長多重技術がTb/s級の伝送を実現するためには重要なコア技術となる.また将来を展望する一助として,研究フェーズで実現されているTb/S伝送の可能性の実証実験例を報告する.