1999 年 68 巻 2 号 p. 146-151
従来のリソグラフィーに基づいた半導体デバイスのトップダウン方式での構築に対して,分子を組み立てて分子素子を構築しようとするボトムアップ方式が,注自されている.これは従来の方法ではナノスケール(分子スケール)の素子を構築することは困難なためである.分子と分子との弱い相互作用を利用して分子の複合体(超分子)を構築し,固定化することにより,臼タキサンやカテナンなど特殊な分子機械を構築することができる.さらに,口タキサンの中の軸部分に輪の部分と相互作用がいくぶん強い部分(ステーション)を2か所組み込むことによって,輪がステーションを往復する分子シャトルを構築することができる.