応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
軟X線領域のCCDカメラ
常深 博
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2000 年 69 巻 4 号 p. 422-423

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抄録

最近,軟X線検出にCCDが広く利用されるようになってきた.ここでは, CCDで直接X線を検出する技術を解説する.X線を蛍光版など介さずに,直接CCDで検出するときの利点は,波長分解できること,位置分解能が画素まで達成できることである1). CCD素子を冷却し,低雑音回路で読み出すなどすれば,波長分解能は半導体検出器をしのぎ,ファノファクターで決まる限界値程度にまでなる.可視光がCCDに入った場合には,光子1個当たり電子は1個しか作らないが,軟X線が入った場合には,半導体検出器と同じで, X線エネルギー(波長)に比例した数百から数千個の電子が作られるので,その個数を正確に計測すればエネルギーがわかる.また,位置分解能は面素の大きさ,つまり10μm程度まで可能になる,ここでは, CCDによって位置分解能がどこまで改善されうるかを解説する.

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© 社団法人 応用物理学会
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