横幹連合コンファレンス予稿集
第4回横幹連合コンファレンス
セッションID: 1F1-2
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複雑系の統計性
社会物理学の試み
*松下 貢
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抄録
昨今、自然科学、社会科学を問わず、複雑系が注目されている。複雑系を構成する要素は相互作用しながらこれまでの経緯・状態を踏まえて時間的に発展する。構成要素の歴史性が重要であるこのような系の統計性に注目するとき、対数正規分布がもっとも自然な分布関数であり、系全体の統計性をみわたす際の規準としてふさわしい。実際、身近で典型的な複雑系の統計性の例として、老人病の介護期間、都道府県や市町村人口、バクテリアの細胞サイズや私たちの身長・体重などをとってみると、対数正規性が顕著に現れていることがわかる。これらのことを踏まえて、新しい科学としての社会物理学の可能性を議論してみる。社会物理学が学際的な学として成り立つためには、社会科学的な複雑系の構造、統計及びダイナミクスがそれなりに一貫して議論されるようにならなければならないが、今はまだ準備の段階である。
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© 2011 (NPO)横断型基幹科学技術研究団体連合(横幹連合)
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