抄録
組織的知識創造プロセスは組織成員らの暗黙知に依存する。本論文では、そのような暗黙知を組織内で育み、普及させるための道具としてソフトシステムアプローチを提案する。この目的のためにまず組織的知識創造プロセスの理念型を提案し、それとの比較で、ソフトシステム方法論を更新する。これにより、そのようなソフトシステムアプローチは形式的には組織的知識創造プロセスに沿うことになる。最後に、社会システム理論を導入することにより、ここで導いたソフトシステムアプローチについて、そのメカニズムとコミュニケーションメディアとしての役割について議論する。