抄録
【はじめに】高齢化が進行する日本では、病院完結型の医療から地域の中で医療・介護が提供される地域包括ケアシステムへの移行が進められている。今後、看護師のキャリア形成は、病棟での看護業務の熟達・高度化の道のほかに、現在すでに離島や遠隔地、過疎地で行われているような、高齢社会でかつ医療資源が不足している中で展開される地域の一部としての医療(地域医療)も選択肢に含まれることが増えると考えられる。そこで本研究では、病棟で勤務する看護師が、次のキャリアとして地域医療を候補とする際に必要となる情報を明らかにし、キャリア形成を支援する一助となる教材のあり方を検討することを目的とした。【方法】島嶼看護の経験者を研究協力者とし、約60分間の半構成的面接を実施した。得られた語りをもとに、島嶼看護の専門家1名および研究者1名とともに分析・検討会を行った。本研究は、沖縄県立看護大学研究倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号23005)。【結果】全4名の研究協力者に対する半構造化面接で得られた語りから抽出できたエピソードの数は合計64個であった。そこから、病棟で働く看護師が離島や過疎地で働く際に必要となる認識として抽出した。【考察】本研究により、病棟で働く看護師が次のキャリアとして地域医療を選択する際に認識しておくべき違いや特徴と、そのことを説明する具体的な語りが得られた。これらを看護師のキャリア形成の一助となるように整理し、教材配信のシステムを構築することが必要であると考えられた。