バイオメディカル・ファジィ・システム学会大会講演論文集
Online ISSN : 2424-2586
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機械学習を活用した画像認識による透析留置針抜針検出のためのスペクトログラム生成に関する検討
*中谷 直史*小泉 夢月*渡邉 志*白濵 成希*安部 貴之*渡邊 晃広
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p. 87

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抄録
国内における慢性透析患者数は約35万人に上り,透析治療中における静脈留置針の意図しない抜針は,重篤な医療事故の主要因の一つである.留置針の抜針事故は短時間で致命的な失血を引き起こす可能性があり,患者のQOLに重大な影響を与える.本研究では,非観血的手法を用いた留置針抜針の高精度な検出を目指し,患者と検出回路間の静電結合に伴うインピーダンス変化を解析する新規手法を提案する.本手法に基づき,周波数1 kHzから1 MHzの範囲における周波数および,位相特性を活用してスペクトログラムを生成するシステムを試作した.このスペクトログラムは,ゲインおよび位相差の変化を色調の変化として視覚的に表現することで,通常状態と抜針状態を明瞭に識別可能であった.また,これらのスペクトログラムに機械学習アルゴリズムを適用することで,抜針状態の高精度な自動検出の可能性が示唆された.本手法は,穿刺部の部分的接触や漏れを伴う状況を含む検出困難な条件下での抜針の早期検出を実現することを目指すものであり,これにより医療従事者の負担軽減および医療事故リスクの低減が期待される.さらに,透析装置と連携した自動監視システムの構築をすることで,より安全性の高い透析治療環境の提供が可能となる.今後,抜針状態および通常状態のデータセットを拡充し,本手法の有効性を検証するとともに,臨床における実用化に向けた課題の解決を図る予定である.
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