バイオメディカル・ファジィ・システム学会大会講演論文集
Online ISSN : 2424-2586
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トップアスリートの科学サポートについて
~東京、パリオリンピックを振り返って~
*杉田 正明
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p. ps1-

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抄録
1991 年からこれまで、陸上競技をはじめとするオリンピックや世界選手権代表選手の強化に関わる医・科学サポート活動を行ってきている。 東京2020 では、競歩、マラソンにおける暑さ対策、コンディショニング対策が2014年から本格的にスタートした。夏場の競技現場における暑熱対策のポイントは、①暑熱環境下においては、深部体温が40℃を超えると運動パフォーマンスが制限される、②体重の2%を超える脱水によって運動パフォーマンスが低下する、③発汗に伴い水分だけでなく、電解質やカルシウムなどのミネラル、ビタミン類も失われる、が挙げられ、暑熱順化のためには深部体温を1℃以上(38℃以上)上昇させ、中強度の運動を60〜100 分前後を7~14 日連続で行うことが推奨されている。パリでも暑さが懸念され、同様に暑さ対策に取り組んだ。 アスリートは、日々のトレーニングをより効果的に行い、そのトレーニングの成果を最大限に発揮して競技成績につなげるために、トレーニングを効果的かつ継続的に行うことが大切である。そのためには体調管理として、日々の体調の可視化と疲労回復の内容を考える必要があるため、色々な指標を用いてコンディションの把握に努めてきた。 本特別講演では、これまでに取り組んできたサポートの内容や東京オリンピック・パリオリンピックで行った暑さ対策、コンディショニングに関する取り組みについてお話しさせていただく予定である。
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