日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PC-007
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3.社会・文化
不適応的認知とソーシャルサポートがオタクのインターネット依存に与える影響
*山上 尚彦
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抄録

アニメ・漫画・ゲーム等を好む「オタク」と呼ばれる人々の心理社会的特性に関する実証的な研究は少ない。本研究は,オタクの不適応的認知とソーシャルサポートが特異的にオタクのインターネット依存を予測するかどうか検討した。そのためにオンライン上で質問紙による横断的調査を実施し,1115名が回答した。質問紙は,不適応的認知,ソーシャルサポート,SNS依存,全般的な病的インターネット使用,オタク的コンテンツに関係する病的インターネット使用に関する尺度と,オタク判別用の項目によって構成された。その結果,オタクはオタクでない人々に比べて病的インターネット使用と不適応的認知が高く,ソーシャルサポートが低い傾向が認められた。回帰分析の結果,オタクにおいてはインターネットに関連した不適応的認知が病的インターネット使用を高めやすい傾向が示唆された。また,オタクでない場合にはソーシャルサポートの欠如はSNS依存を予測しない一方,オタクの場合には家族および面識の無い友人からのサポートの欠如がSNS依存を上昇させる傾向が示唆された。以上の結果から,オタクには特有のインターネット依存モデルがある事が示唆された。

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