主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
アニメ・漫画・ゲーム等を好む「オタク」と呼ばれる人々の心理社会的特性に関する実証的な研究は少ない。本研究は,オタクの不適応的認知とソーシャルサポートが特異的にオタクのインターネット依存を予測するかどうか検討した。そのためにオンライン上で質問紙による横断的調査を実施し,1115名が回答した。質問紙は,不適応的認知,ソーシャルサポート,SNS依存,全般的な病的インターネット使用,オタク的コンテンツに関係する病的インターネット使用に関する尺度と,オタク判別用の項目によって構成された。その結果,オタクはオタクでない人々に比べて病的インターネット使用と不適応的認知が高く,ソーシャルサポートが低い傾向が認められた。回帰分析の結果,オタクにおいてはインターネットに関連した不適応的認知が病的インターネット使用を高めやすい傾向が示唆された。また,オタクでない場合にはソーシャルサポートの欠如はSNS依存を予測しない一方,オタクの場合には家族および面識の無い友人からのサポートの欠如がSNS依存を上昇させる傾向が示唆された。以上の結果から,オタクには特有のインターネット依存モデルがある事が示唆された。