日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PC-048
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3.社会・文化
新型コロナウイルスに対するリスク認知と集合的感情
*楠見 孝嘉志摩 佳久
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抄録

新型コロナウイルスに対するリスク認知と集合的感情を明らかにするために,全国の男女1002人に対するweb調査を2020年12月に実施した。個人的/集合的感情についての質問項目は,自分/社会一般が,12のコロナ関連対象(例:患者)に対して9つの感情(例:不安)をもつか否かの回答を求めた。他に,感染リスク認知,政府のコロナ対策の評価,情報源の信頼度等について評定を求めた。その結果,個人/集合的感情については,コロナウイルスに対する不安(47 %/49 %)の回答比率は双方とも高い。医療従事者への感謝(84 %/79 %)は個人がやや高い。一方,個人よりも集合的感情の方が高いのは,患者への不安(34 %/42 %),マスクをしない人(36 %/54 %)や首相(29 %/40 %)への怒りである。つぎに,9つの個人/集合的感情ごとに12の対象への該当数を感情スコアとして,他の変数との相関を求めた。感染リスク認知と恐怖の相関は,個人に比べ集合的感情は低い(.24/.06)。また,政府のコロナ対策の評価,政府情報への信頼度は,個人/集合的感情の双方の怒りと逆相関(-.32/-.20;-.28/-.17)であった。

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