主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
化粧は不安や喜びなど様々な感情に影響を及ぼし,それにより行動も変化する。今回,化粧がストループ検査の課題正答数へ及ぼす影響について検討した。[方法]日常的に化粧をする習慣のある健常成人女性14名(平均年齢20.9±0.8歳)を対象とし,化粧有無でのストループ検査,GACLによる素顔および化粧顔での心理指標の評価,素顔および化粧顔に関する印象や気持ちについてのアンケートを実施した。[結果及び考察]ストループ検査の課題1~4の正答数において,素顔よりも化粧顔での正答数が多く,課題4では有意差が認められた(p<0.01)。素顔及び化粧顔の状態の「覚醒度」と「ストレス度」をGACLで調べたところ,「覚醒度」は素顔よりも化粧顔の状態で高かったが(p<0.01),「ストレス度」は両者間で差がなかった。本研究にて素顔よりも化粧顔でストループ検査の課題正答数が多いことを示した。化粧行為,あるいは,仕上がった化粧顔により覚醒度が高まったことが一因として考えられる。