主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
ゆるしにおいて,傷つけられた体験における内的反応の変化およびその過程に着目した検討は,重要な課題である。本発表では,ゆるしの過程における傷つき体験と現在の心理的な距離(以下,心的距離とする)との関連を検討することを目的とした。4年制大学生586名(男性225名,女性352名,その他9名,平均年齢18.91歳,SD=0.90)を対象に,誰かに傷つけられた体験の想起,体験当時の傷つき,現在での傷つき,いじめや裏切りといった体験の分類,心的距離について回答を求めた。独自作成項目である心的距離は,心的距離が取れるほど得点が高くなるように一部の項目を逆転し,算術平均を尺度得点とした。当時の傷つき,現在の傷つき,体験が生じた時期,心的距離を投入した潜在プロフィール分析を実施した。適合度指標および解釈可能性から,4クラスタ解釈を採用することとした。各クラスタは,各小集団の持つ特徴に基づき,第1クラスタ(28.7 %)は「中間群」,第2クラスタ(5.6 %)は「非傷つき群」,第3クラスタ(41.8 %)は「傷つき継続群」,第4クラスタ(23.9 %)は「傷つき低減群」と命名された。