日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PD-014
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4.臨床・障害
問題あるポルノグラフィ利用と成人向け性コンテンツ利用頻度との関連—成人向け動画,画像,ゲーム,小説,映画,雑誌,漫画に着目した検討—
*岡部 友峻伊藤 大輔
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抄録

問題あるポルノグラフィ利用(PPU)とは,成人向け性コンテンツの過剰利用を指し,ICD-11に認定された強迫的性行動症における主要な問題行動である。PPU傾向は女性よりも男性において高く,治療法を確立するためにはPPUの性差の特徴を解明する必要がある。本研究の目的は,PPUと性コンテンツ利用の関連における性差を解明することであった。性コンテンツ各種(成人向け動画など)の利用頻度,PPUの測定尺度(Kor et al., 2014)を用いて,男性502名と女性509名を対象にWeb調査を実施した(平均年齢35.8歳,SD=13.7)。男女別に,性コンテンツ各種を予測変数,PPU傾向を基準変数とした重回帰分析を行った結果,男女共に成人向け動画・画像において有意な正の偏回帰係数であり(βs=.10 -.15),特に,女性では成人向け漫画においても有意な係数であった(β=.14)。以上のことから,性コンテンツの中でも成人向け動画や画像が性差によらずPPUの増悪と関連し,女性においては成人向け漫画の閲覧が特に関連することが示唆された。今後は性コンテンツへの利用動機を検討する必要があるだろう。

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