主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
スマートフォンゲーム(以下,スマホゲーム)は携帯性,即時性,アクセスのしやすさといった特徴から,依存性のある行動パターンへのリスクを高め,より深刻な精神的問題を引き起こす可能性が示唆されている。これまでのゲーム依存の研究は,思春期を対象としたものが多く,また,機能不全家族はゲームへの依存リスクが高いことが示唆されている。一方で,親子関係の親密性の高さはゲーム依存への保護因子となる可能性や,その後の親からの精神的自立に影響を及ぼすことが示唆されている。そこで,本研究では,大学生328名を対象にWeb調査を実施し,親への親密性が親からの精神的自立に影響を及ぼし,スマホゲーム依存傾向を抑制するかどうかを検討した。構造方程式モデリングによるパス解析の結果,親への親密性は,親からの精神的自立に正の影響を及ぼしていた。しかしながら,スマホゲーム依存傾向へ負の影響を及ぼしているのは,母親への親密性のみであった。本研究結果は,先行研究と異なり大学生を対象としたものであったため,一般化には慎重になる必要がある。しかしながら,母親への親密性を高めることでスマホゲーム依存傾向が抑制される可能性が示唆された。