日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PD-141
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4.臨床・障害
中枢性感作症調査票CSI-JのCOSMINチェック-1
*岩田 昇菊地 賢一小橋 元
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抄録

【背景】中枢神経系への不快な外部刺激の繰り返しにより,中枢神経が感作され,痛みに対する過剰な敏感反応するような状態を中枢性感作(CS)と呼ぶ。慢性難治性の疼痛や付随する様々な身体・精神症状は中枢性感作症候群と称され,英国で開発された自記式調査票(CSI)に基づいて評価されてきたが,日本語版(CSI-J:25項目5件法)の検討は不十分である。【目的】CSI-Jに関するCOSMINチェック前半部分の検討を行い,測定精度に優れた項目群の抽出も行う。【方法】2019年度の健診受診の地域住民22,963名の回答データにカテゴリカル因子分析・多値型項目反応理論モデルを適用した。【結果】CSI-Jはほぼ同じ項目数で構成される3因子構造(F1「うつ不安/身体化症状」,F2「CSS張り/痛み」,F3「一般/泌尿器系症状」)であった。各因子に準拠した測定項目の識別力は概ね1.4を超えており,良好な識別力であった。一方,閾値は,項目により大きな差異が見られた。F1はF2やF3よりも項目数が多く,さらに低い θ レベルから該当回答を示す高識別力項目が複数あるため,F1の情報量はF2やF3の2倍程度多かった。

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