主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
須藤ら(2020)の結果を受けて原田ら(2020)は,AX-CPT70課題(Braver, 2012)を用いてcue-probe間ISIに予測不可な揺れがある場合を検討し,その結果,高齢者では正答率は高く保たれるが,反応時間において課題成績が低下することを報告した。本研究ではこの現象をさらに検討するため,高齢者32名(平均年齢 74.88歳,SD=4.24)を対象に,原田ら(2020)と同様の実験室実験を実施,アルファベット1文字を刺激とする場合と日本語の名詞1語(ひらがな表記)を刺激とする場合との比較も併せて行った。その結果,いずれの刺激,いずれの項目条件下でも,テスト時の「突然早く提示された刺激」に対する反応の遅延を示した。一方,正答率においては,第1段階(学習段階)で長ISI試行vs短ISI試行のいずれを経験したかによってテスト段階でのリズムの揺れに対する結果が異なり,構えの学習の影響が存在すること,さらにそこではわずかに文字条件と名詞条件の差異があることが示された。鷹阪ら(2021)との比較から,刺激変動事態によるチョーキングへの反応には大きな加齢変化があることが示唆された。