日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PL-012
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12.言語・思考
リモート対話場面でロボットを活用することによる批判的思考・メタ認知能力の変化
*本間 拓人高橋 英之伴 碧島谷 二郎福島 宏器守谷 順
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抄録

本研究では,オンラインミーティングツール(Zoom)を使用し,ロボットを用いたリモート対話型の実験を行った。実験参加者の各テーマ(「お金があれば幸せになれる」など)に対する賛否や理由についてロボットが代弁し,ロボットからの質問に答える形式で自身の意見を再考させ,批判的思考能力やメタ認知能力が向上するのかを検討した。対面での対話を行った対面ロボット群(34名),リモート対話の際にロボットを画面に映したオンラインロボット群(20名),リモート対話の際にオーディオ機器を画面に映したオンラインスピーカ群(19名)を対象に,自身の意見に対する確信,他者の意見に対する受入,批判的思考態度を測定する尺度,批判的思考能力を測定する批判的思考テスト,メタ認知能力を測定する尺度を用いた分析を行った。課題前後での点数を分析し比較した結果,オンラインロボット群は批判的思考能力とメタ認知能力が向上していたことに加え,柔軟な批判的思考ができるようになる可能性が示された。以上より,批判的思考能力,メタ認知能力の向上には,ロボットとリモート対話することがより効果的だと示された。

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