日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PL-020
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12.言語・思考
学部横断的な授業における創造的思考力育成プログラムの開発および検証オンライン授業におけるコミュニケーションの活性化とともに
*山口 洋介
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抄録

初年次教育の一環として学部横断で行われるゼミ形式授業において,開発した創造的思考力育成プログラムを実践した。参加者は,学部1年生17名(女性5名,男性12名)で,所属学部は文理多様であった。COVID-19の影響により,授業は全てオンラインで実施され,「Slack」が用いられた。本授業では,創造的思考力を,1)アイデアの観察・評価に関する能力,2)アイデアの生み出し方に関する能力,3)アイデアを実行に移す能力,という3つの要素に大きく分けて捉えて,それぞれへの介入を試みた。授業実践を分析したところ,学生1名あたりの投稿件数は,授業1回につき平均10.58件(SD=5.31)であり,最も多い授業では平均20.47件に上っていたことが示された。授業最終回に実施した匿名のアンケートでは,評定項目や自由記述に対する回答内容から,創造的思考のプロセスについての理解の向上,および,創造的思考自体に対するイメージの変化,積極的な態度の獲得といった効果が確認された。双方向的で能動的なコミュニケーションを通して,授業内容について高い関心を喚起するとともに,深い理解を促すことができていたと判断された。

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