日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PN-004
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14.行動
四大嗜好品(酒,たばこ,コーヒー,茶)の摂取がレジリエンスと心理的ウェルビーイングに及ぼす影響
*上野 将玄児玉(渡邉) 茉奈美
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抄録

本研究では,嗜好品の摂取とレジリエンスおよび心理的ウェルビーイングとの関連について,摂取場面(他者との摂取,一人での摂取)と嗜好品の種類(酒,たばこ,コーヒー,茶)に注目して検討した。調査会社を通して四大嗜好品各群705名を対象にウェブ質問紙調査を実施した。場面ごとの分析の結果,他者との摂取はコミュニケーションを促進し,レジリエンスの一側面である環境資源の認知や活用を高め,心理的ウェルビーイングの因子である自律性や環境制御力,積極的な他者関係を高めることが示された(GFI=.931, RMSEA=.071)。また一人での摂取場面では,感情と認知のコントロールのための摂取がセルフ・エンパワメントやポジティブ気分の獲得,集中力の向上を促し,個人資源の認知や活用を高め,自律性を高めることが示された(GFI=.910, RMSEA=.069)。四大嗜好品群間の比較を行った結果,他者との摂取場面では,他者との摂取行動とコミュニケーション促進との関連が酒よりコーヒーや茶の方が強く,一人での摂取場面では,摂取によるポジティブな効果とレジリエンスとの関連が酒やコーヒーより茶の方が強いことが示された。

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