主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
余暇活動の充実により,青年期ではウェルビーイングの向上(Trainor et.al., 2010),中年期では認知症リスクの低下(Chan, et al., 2018),高齢期では認知機能の低下抑制(Iwasa, et al., 2012)がもたらされている。他方,多様な余暇活動の測定・評価の検討は高齢者を対象に行われた(小園ら,2016)が,幅広い年代の参加者による検討が求められている。加えて,新型コロナウイルスの拡大によって余暇活動は大きく制限され,選択できる余暇の変化が推測される。本研究では,余暇活動の実態を把握し,その変化とメンタルヘルスの関連について検討した。2020年1月に実施した調査から追跡可能であった20代から80代の300名(男性164名,平均年齢57.3歳,SD=21.9)のデータを分析した。98種類の余暇活動の実施については総数で差はみられなかったが,年代により従事している活動が異なり,若者は一時的な娯楽,高齢者は社会的要素を含む活動を行っていた。また,様々な余暇活動に取り組むことはレジリエンスを介して抑うつ症状の低下に寄与し,余暇活動の縮小がうつ症状を高める可能性が示唆された。