主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
問題 高齢者の自己開示を抑制する傾向(自己隠蔽傾向)が反すうと相関する知見はあるが,日本での報告はあまり無い。本研究では日本の高齢者の反すうと自己隠蔽傾向の関連を検討する。方法 2018-2020年に都内で実施した介入研究の初回調査結果を用いた。解析項目に欠損が無い114名(平均69.7歳,女性103名)を対象とした。独立変数を性,年齢,教育年数,外出頻度,TMT-B,自己隠蔽尺度,従属変数をネガティブな反すう思考尺度の下位因子(ネガティブな反すう傾向(NRT)・ネガティブな反すうのコントロール不可能性(UNR))とする重回帰分析を行った。結果:NRTについてのモデルが有意であり(F=3.84,調整済R2=.13,p<.05),自己隠蔽尺度のみ関連していた(β=.32)。UNRについてのモデルは有意でなかった(F=1.19,p=.32)。考察 日本の高齢者でもNRTと自己隠蔽傾向との関連がみられた。しかし,反すう内容が多く,必然的に自己隠蔽の頻度が高い可能性もあり,縦断調査による因果の検討が求められる。
抄録訂正
(誤)
解析項目に欠損が無い121名(平均69.9歳,女性109名)
(正)
解析項目に欠損が無い114名(平均69.7歳,女性103名)
(誤)
NRTについてのモデルが有意であり(F=2.97,調整済R2=.06,p<.05),自己隠蔽尺度のみ関連していた(β=.32)。UNRについてのモデルは有意でなかった(F=1.28,p=.27)。
(正)
NRTについてのモデルが有意であり(F=3.84,調整済R2=.13,p<.05),自己隠蔽尺度のみ関連していた(β=.32)。UNRについてのモデルは有意でなかった(F=1.19,p=.32)。