主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
近年,性別役割分業に対する意識は平等的に変化しているが,実態においては家庭内で家事分担にはジェンダーによる不均衡がある。これまで,家庭の家事分担は父母間で比較されることが多く,青年期の若者の家事分担等に及ぼす影響についてはあまり検討されていない。そこで,本研究では,父親の家事分担が青年の家事分担,性別役割分業意識,および父親への親密性に及ぼす影響について検討することを目的とした。調査対象者は4年制大学の4年制大学に通う大学生83名(男性:31名,女性:52名)(平均年齢:19.88歳,SD=0.79)であった。パス解析の結果,男女ともに父親の家事分担が高まる,大学生の家事分担は高まり,大学生の父親に対する絶対的安心感も高まる傾向が示された。また,女子大学生においては,父親の家事分担が高いほど,性別役割態度が平等主義的であった。以上の結果から,父親の家事参加は,父子間の関係性を良好にするだけでなく,性別役割分業の再生産を抑制する効果があることが示唆された。