日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第87回大会
セッションID: SS-050
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公募シンポジウム
記号とキャリア発達 ヴィゴツキーからヴァルシナーの記号論より人の成長を読み解く
番田 清美土元 哲平市川 章子宮下 太陽サトウ タツヤ
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抄録

ロシアの心理学者ヴィゴツキーは,我々人間は他者や社会と接する際に,記号を媒介して対象に働きかけるという「記号の心理学」を提唱した。我々は媒介された記号により,ある行為へと突き動かされたり物事への認識を形成したりしている。ヴァルシナーはヴィゴツキーの記号論に「時間」を取り入れることで,記号と人間の生き方との関係について考えを深めた。記号が人に働きかける時は「現在」であるが,その記号を受けて人が何かを行う時は常に未来に向かっていると指摘した。加えて,現在を「点的記号」として解釈するばかりでなく,何かに集中しているとき人は現在を長く感じるように「拡張された現在」つまり「意味フィールド」を持つ「域的記号」として捉える視点を持つ。本シンポジウムでは「親への服従を良しとするインドネシア社会における大学生のキャリア選択」「日本社会における外国人生徒のキャリア発達」「縁辺地域における子どものキャリア発達と風土との関係性」「プロフェッショナル人材のキャリアの転機における時間的展望と記号の働き」という4つの研究を題材に,記号発生過程とキャリア発達の関連について議論を深めたい。

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© 2023 公益社団法人 日本心理学会
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