1995年の日本の各地域おけるCO2排出を計測した.本稿では地域単位の計測にあたって対象地域の域内外の取引を詳細に知ることができる地域間産業連関表を利用した.そしてこの地域間産業連関表の利点を生かしてCO2排出原単位を地域別に推計することを試みた.このような計測の結果をもとに地域比較を行ったところ,東日本および都市的な地域が誘発させるCO2排出は自地域内で発生するCO2排出量よりも多く,その超過分が西日本で排出されているという傾向を推定するに至った.また同一産業による同一額の最終需要の生産という同じ経済活動がもたらす経済と環境負荷へのインパクトが,地域間で異なりうることを明示的な形で表現することができた.