抄録
従来のスカイライン分析は,①「最終的に輸出製品に組み込まれる輸入中間財」と「国内で消費される輸入財」を区別していない,②国内需要が存在しているにもかかわらず国内生産がゼロである部門を表現することができない,という二点において,分析目的の要請に答えているとは言い難い側面をもっていた.国内の需給構造を描写すると同時に,輸出入のパターンを明らかにするという分析目的のもとでは,これら二つの構造的特性を反映できるような新たな方法を考える余地がある.そこで本稿では,これら二つのポイントに対応する新たな手法を提示すると同時に,それを日本の産業連関表および中国における上海市と貴州省の地域産業連関表に適用し,比較分析を行っている.