抄録
わが国では,温暖化対策の1つとして,再生可能エネルギー技術の導入が進められている.とりわけ,わが国における太陽光発電装置の普及率は,諸外国と比較して高いが,この高い普及率を支えているのは,住宅用太陽光発電装置導入の際の補助金制度であると言われている.本研究では,わが国の補助金制度が,住宅用太陽光発電装置の普及に与える効果と実現されるCO2削減効果を定量的に評価した.また,住宅用太陽光発電装置のみではなく,様々な新技術導入の際の補助金制度に適用可能な評価手法を提示した.その結果,住宅用太陽光発電装置に対する補助金制度は,その温室効果ガスの削減コストが高いものの,住宅用太陽光発電装置の普及に対しては大きな貢献があったことが確認された.