抄録
旧来,観光は準国家的規模(sub-national scale)の政策においての関心の高い分野であるにもかかわらず,統計手法や分析手法を用いてもしばしば断片化された部分的な研究になっている.そのため,観光当局は,経済に対する観光の貢献や他部門へ広がる影響を正確に示すことができないでいる.地域規模で TSA(ツーリズム・サテライト・アカウント)を応用すると,地域の様々な機関は最初の段階で質の高いデータを基に守備一貫性のある分析を行うことができるとともに,経済だけでなく社会や環境の分野の分析も行うことができる.しかしながら,政策に本当に役立つ分析が突発的ではなく恒常的に行われるようにするには,TSA の構造の限界を解消しておかなければならない.