産業連関
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〈投稿論文〉
山口県4地域間産業連関表を用いた周遊観光が及ぼす経済効果
野村 淳一木下 真齋藤 英智朝日 幸代
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2011 年 19 巻 3 号 p. 72-22

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抄録

本論文は,山口県山口市湯田温泉,萩市に周遊した観光客の消費の経済効果を分析したものである.分析の特徴は以下の通りである.①ノンサーベイ手法である LQ 法を応用し,4 地域間交易(山口市・萩市・その他山口県・山口県外)を推計している.②観光客の周遊行動を明示的に取り入れ消費額を推計した.③ UNWTO でマニュアルを作成しているツーリズム・サテライト・アカウントに準拠する部門分類に配慮して直接効果を推計している.④ 4 地域間産業連関表を用いて,山口市湯田温泉,萩市宿泊客の消費による生産波及効果を分析した. 山口県における観光政策では周遊型観光客への取り組みが重要であるが,観光消費は県外への漏出が大きく,観光政策はこうした漏出状況を定量的に把握した上で検討することが重要である.

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© 2011 環太平洋産業連関分析学会
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