抄録
高度情報化社会の進展とともに,質が高く,かつ柔軟性に富む科学技術者の円滑な供給こそ,技術進歩のための重要な鍵である。だがわが国の一見自覚ましい経済成長と技術進歩の陰にあってその担い手とする科学技術者・研究者の供給体制はきわめて多くの問題をかかえており,その将来は楽観を許さないものがある。以下この問題を,(1)絶対的な量の不足,(2)質的な変化への対応のおくれ,(3)大学とくに大学続教育における適応性の欠如,(4)基礎研究への財政支援の立ちおくれ等,わが国の技術革新の将来に横たわる憂うべき症候群をとりあげ,このための打開策について論じてみよう。