産業連関
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産業化社会における健康
―メディコエコノミックスから産業生態科学ヘ―
土屋 健三郎
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1991 年 2 巻 3 号 p. 4-13

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抄録
 産業社会での生産活動は経済的にプラスの貢献をする財―「グッズ」をつくりだす一方で,しばしば公害や人間の健康破壊をももたらすマイナス要因―「バッズ」も発生させる。いまや地球的規模で環境破壊が云々される時代に,経済学は本来の原点にかえり,人間の福祉を再定義し,健康や医療費をも一体化した総合的アプローチ,すなわち経済学と震学を融合した「メディコエコノミックス」,さらにはこれを発展させた「産業生態科学」へと大きく飛躍する必要に迫まられているといえよう。筆者は以下において後者のモデルを提示する。モデルはマクロブロックを上層に,ミクロブロックを下層とする上下2層の構成をもつ産業生態系モデルであるが,今回はとくに前者のマクロモデルを産業連関分析とも関連づけながら興味あるシミュレーション分析を展開する。
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© 1991 環太平洋産業連関分析学会
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