2013 年 21 巻 3 号 p. 77-87
日本標準産業分類(JSIC)の第12回改定が2008年11月,また国際標準産業分類(ISIC)の第4回改定も同年8月に公表された.ふたつの改定に共通する課題のひとつは産業分類に「本社」「持株会社」をどのように組み入れるかということであった.この課題は,現実の経済の変化に対応したものであったが,同時に,標準産業分類における付随的活動の取り扱いに革新をもたらす可能性を持つものでも あった.しかし,JSICとISIC=SNAとの取り扱いには無視できない差違がある.それは,「経営」活動をSNAの生産境界にどのように位置づけるかという問題と関連すると考えられる.